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3月30日、平成22年第1回市議会定例会が閉会しました。上程したすべての議案を可決いただき、また、継続審議議案については、付帯決議付可決および修正可決いただきました。
8年前、前市長の逮捕によって混乱する渦中で市民の皆さんから負託された使命は私なりに果たしたという思いで、4月20日の任期満了をもって退任いたします。
清潔な市政運営「正しい姿勢で 明るい市政」を職員とともに確立し、大きく傷ついた多摩市政への信頼は回復できたと思います。
3月30日の市議会において、「多摩市長等政治倫理条例」を議決いただきました。二度と市長逮捕という不祥事が起きないことを強く願うものです。
2期8年、私が強く意識してきた基本的な問題は、
1.超高齢社会、すなわち、「増える歳出、減る歳入」の構造を見据え、公共サービスを市民が協働して行政と共に担う「新しい公共・信頼のネットワーク」を構築し、「元気高齢社会」をつくること、
1.虐待する親を責めても問題は解決しないとの認識に立って、地域が子育てを応援する仕組みをつくること、
1.都市の社会基盤、公共施設の建設から維持管理、再生への取り組み、
1.それらを支える財政の強靭化と企業誘致による都市の活性化、です。
私は、市職員30年の経験を踏まえ、行政内部をよく知る者として、即戦力の改革を成し遂げた思いです。
都市の自立的な経営の基礎となる本市の財政運営の健全性は、全国的にも高い水準にあります。総務省の財政の健全度を測る4指標において、多摩市は現在の健
全性が多摩地区トップであり、将来における債務も実質的にない、と発表されました。将来世代にツケをまわさず、責任をもてる、誇れる状況にあります。
ただし、経常収支比率が高く、財政はまだ硬直化傾向にあります。引き続き、ゼロベースの原則、市民協働の原則、根拠本位の原則に則り、不断の見直しが不可欠です。
私は、都市機能の自立の観点から企業誘致を進めました。その結果、20箇所、26haが売却され、2千人を超える従業員が増加しました。
「多摩ニュータウンはオールドタウン」と揶揄するマスコミの固定観念を払拭することができたと思います。この企業進出は、将来の法人市民税の確保と共に、職住近接の実現が期待できるものでもあります。
8年間、市職員とは、大いに議論をしました。
行財政診断白書の作成と行財政再構築プランの取り組みに始まり、事業カルテ、公共施設カルテの作成とストックマネジメント計画、各種維持管理計画の立案な
ど、自ら考え、政策立案できる職員がいます。市民の立場に立って、科学的に政策を立案できる職員集団になりました。また、PDCAマネジメントサイクルの
定着は自慢できるレベルにあります。
職員が作成するこれらのデータは、市議会での議論を深めることや、市民の皆さんに施策をご理解いただくことにも寄与していると自負しているところです。
日本経済新聞による全国調査において、多摩市の行政改革総合評価が、平成14年の118位から、平成20年には7位に改善するなど、市民の皆さんと職員の英知と努力が実を結んだことを名誉に思います。
事業を見直す一方で、中・重度の障がい者が家に閉じこもることのないよう、通所施設の充実や自立支援法のサービスを国基準の1.5倍に設定するなど、真に必要なサービスに重点配分しました。
この8年間、子育て・子育ち・教育は、最重点課題として取り組んできました。子どもの幸せを第一に、また、子育てする方に寄り添った0歳から18歳までの途切れのないサービスを組織をあげて構築し、提供してきました。
若い世代が多摩市を選んで転入し、5年間連続して合計特殊出生率が上昇しており、多摩市の人口は、市政施行以来、最も多い14万8千人となっています。
保育所の定員を14%増やしましたが、待機児が増えている状況にあり、平成23年4月にはさらに150名増員すべく、準備をしています。
また、0歳・1歳・2歳のお子さんの7割は在宅で育てられています。
多摩市立幼稚園を廃園して開設した子育て総合センター「たまっこ」は、「地域で子育てを応援する」拠点として活用されています。「たまっこ」での大学、
NPO法人と行政が協働しての運営は、先進的な取り組みであり、実現に導いた職員および関係者のご尽力に深く感謝しております。
緑の確保と保全、並びに、ごみの減量にも、市民の皆さんと共に取り組んできました。里山を維持管理するグリーンボランティアの皆さんは180名を超えまし
た。また、指定有料袋によるごみ収集および資源の集団回収の広がりなど、市民の皆さんの努力が多摩地域でトップのごみ減量化を達成しました。さらに、環境
大臣賞の2年連続受賞は、市民の皆さんと職員の知恵と汗の結晶であり、栄誉です。
3月28日、諏訪2丁目住宅管理組合の臨時総会において、建て替え決議が91%の賛成を得て、可決されました。画期的なことです。
歴代役員の皆さん、関係者の皆さんの長年にわたっての献身的かつ地道なご尽力に敬意を表し、本格化する建て替え事業が円滑に進むように、市行政、市議会、東京都、国が連携して引き続き支援していただきたいと存じます。
1兆円とも、1兆5千億円ともいわれる国費・都費が投入されて建設された多摩ニュータウンが市の面積の6割を占める本市は、都市の再生、公共施設の維持管
理の時代を迎えつつあります。都市計画税を、都市のリニューアルにも活用することができるように、引き続き、国に強く要請していくことを、新市長に引き継
ぐ考えでおります。
行財政再構築プランで提示した「新しい公共―新たな支えあいのしくみづくり」に至るまでには、20年間の市民参加、市民協働の歩みがあります。
ボランティアセンターの開設、設計から運営に至るまでの市民参加によるコミュニティセンター活動、年間延べ200万人の市民の諸活動は多摩市の強みです。
自治会・管理組合や社会福祉協議会、民生委員さん、商店会などと連携した「見守り活動」のネットワークは着実に広がりをみせています。
自治会や自主防災組織など、引き続き地域の縁・つながりを紡ぐ取り組みを重ねながら、市民活動情報センター、NPOセンター、ボランティアセンターを軸
に、多様な主体が豊かなサービスを創り・担い合う市民協働の信頼のネットワークをさらに広げ、定着していくことが、人生100歳時代を豊かに暮らすことに
つながると確信しています。
また、コミュニティセンター運営協議会が、コミュニティセンターの管理運営とともに、地域の課題を発見し、主体的に対応していく「地域協議会」の役割を担うことを期待しています。これは、第三次総合計画で構想したことであり、その萌芽がみられることを嬉しく思います。
去る2月15日に、多摩市総合計画審議会から第五次総合計画基本構想の答申をいただきました。答申で示された20年後の将来都市像「みんなが笑顔、いのち
にぎわうまち・多摩」に、これまでの「太陽と緑に映える都市・多摩」及び「市民が主役のまち・多摩」実現の成果を、新しい市長のもとでつなぎ、発展される
ことを願っております。
地方主権の時代。自らのまちは自らつくる。
市民の皆さまにも改めて、信頼のネットワークづくりに関心をお寄せいただき、共にまちづくりに参画いただきたく、お願い申し上げます。
私も一市民として、新しい公共・信頼のネットワークづくりに関わっていきたいと考えております。
8年間ありがとうございました。
平成22年4月1日
多摩市長 渡辺幸子
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